― 特別寄稿 ―


高校三年間をどう過ごすか、これはとても重要なテーマです
<平安女学院高等学校副校長 平野 尚煕 先生>


あと3ヵ月あまりで高校入試です。高校生活三年間といえば、知性的にも感性的にももっとも成長する時です。この大切な時期をどこで、どんな人々とどのように暮らすかということは、とても重要なテーマです。
 そこで受験校選びの準備としてこれからできることを記しておきます。11月は、「オープン・キャンパス」、「学校説明会」など高校が主催するイベントがまだかなり行われています。「学校説明会」はとくにこの時期に盛んに行われており、受験校で行われるほかに、高校の入試課の先生が出張して行う地域別説明会が開催される場合があります。ポスターなど高校が発信するイベント情報に注意しましょう。
 実際に高校を訪ねてみると、それぞれの高校に雰囲気の違いがあることがよくわかります。それはその学校の教育の理念(もっとも大切にしていること)と深い関わりがあります。三年間を暮らす場所ですから、教育の理念と雰囲気が気に入ることがとても大切なことです。そして、教育の理念をどのようにして実現しようとしているかを表すのが「カリキュラム」という教育計画です。授業の種類と時間数、学校行事やクラブ活動に関する考え方や実施のしかたが記されています。「カリキュラム」も調べておくとよいでしょう。
 ほとんどの高校が質問コーナーなどを設けていますから、そこで、入試制度のことは、必ず聞いておきましょう。たとえば、入試科目と出題範囲、英語のリスニングテストの有無とその難易度など、気になることはなんでもたずねてみましょう。  入試制度には大別して「推薦入試」と「一般入試」の二つがあります。 

推薦入試
   ほとんどの学校が内申を重視します。推薦受験の場合、「専願」が基本です。合格すればその学校に入学をするという意味です。
 それぞれの学校には推薦資格の基準があります。推薦の基準を満たしている人も、まだ達していない人も、推薦受験をしようとする人にとっては、11月が正念場です。今回の中間テストと期末テストで推薦されるか否かが決定するといっていいでしょう。対策と準備を充分にしましょう。どの科目を何点上げれば、基準に達するのかなどを担任の先生や塾の先生と相談するとよいでしょう。そのほか、スポーツ推薦や特技推薦など、独特の入試方法がある学校があります。
 もちろん入学試験を軽視してはいけません。期末テストが終われば、入試の準備に全力注入しましょう。中二と中三の教科書を中心に確実なおさらいをしておきましょう。

一般入試
 一般入試の場合は入学試験の成績が最重要視されます。
 偏差値で示される実力が判定の基準になります。特に私学受験の場合は学校の実力テストのほかに、多人数が受験する業者テストがより正確な判定資料になります。
 この時期から大幅な実力アップは望めませんが、集中力と学習方法によっては、ワンランク上の高校に合格する可能性は充分にあります。11月には志望校の過去問題にトライしましょう。出題傾向が極端に変わるということはありません。ここで大切なことは、あせってあれこれ手をつけたり、難問を克服しようと努力するよりは、むしろ平易な問題を確実に得点できる安定した実力を身につけるほうが得策です。弱点を発見したら、教科書中心の学習方法で補うことが、結局、勝利につながります。






信念と情熱が高校選びの原点です
<関西学院高等部副部長 松浦 克博 先生>


志望校への思い
 高校受験は、皆さんの人生において一つの大きな「節目」になります。中学受験は、本人よりむしろご両親の意向を反映している面が大きいのに対して、高校受験の場合は、皆さん自身の夢や希望、本当にその高校に入りたいという意志の強さが鍵になります。いよいよ年末に向けて、受験準備の最終段階にさしかかるこの時期、やはり一番大切なことは、「絶対、この学校に入りたい」という信念と情熱を持つことではないかと思います。それが無ければ、またあったとしても不十分なものであれば、踏ん張れないのではないかと思います。改めて、本当に自分はどの高校に行きたいのかを再確認して下さい。出身高校は普通は人生で一つという人が大半です。しかし、出身高校だけで人生が決まるわけではありません。だからこそ、人の意見に振り回されたり、大学受験を考えて「損か得か」というような感覚ではなく、「この高校に行って、こんな生活がしたい」というしっかりとしたイメージを作って、自分自身が納得できる志望校を選ぶべきです。どの高校に入るか、だけではなく、その高校に入ってどうしたいか、が重要でしょう。このように、本当に行きたい高校を見つけることが出来た人は、苦しい受験準備にも努力できるのです。そのビジョンをしっかり持っているか、確認することが私の第一のアドバイスです。

得意と苦手について
 次に「得意と苦手」という観点から入試問題を考えます。教科の得意、苦手もありますし、一つの教科でも苦手な単元や分野、得意な領域、項目などがあります。得意を伸ばし、苦手を克服することがともに必要なのですが、なかなか時間がかかって大変です。入試は百点を取れる試験ではありません。試合に例えれば、得意で勝って、苦手で引き分けることが合格の鍵だと思われます。入試問題に勝ためには、「相手を知って、自分を知ること」です。過去問にじっくり取り組むことは皆さん分かっていると思います。過去問と格闘することで、「相手を知って」どのレベルの問題をやればよいか、正確に選ぶことが必要です。同時に「自分を知る」こと、どの分野が得意で、どの分野が苦手なのか、確実に把握することが大切です。苦手をはっきりさせて、そこでは引き分けをねらうのです。得意、苦手がはっきり意識できていることが大事なのです。もう本番まで2ヵ月と少しです。苦手な分野ばかり勉強していては自信がなくなり、ペースに乗れません。メリハリをつけて、得意分野は高度な問題を、苦手分野は基本的な問題に取り組むことがよいでしょう。また、その中でも、入試が近づくにつれて、得意分野のウエイトを高め、自信につなげていくことも効果的かもしれません。だからこそ、自分の得意な領域と苦手な分野などを表にするなど、整理しておくことが必要です。

「学力」の二つの側面
 われわれが入試で見たい「学力」には、問題集を徹底的に解いたり、重要事項を暗記したりする、いわゆる「知識」の量と、蓄えられた「知識」を使っていかに「思考」することができるか、という二つの側面があり、本当に測りたいのは実は後者の「学力」なのです。この「思考力」は簡単につくものではありません。それはおもに「読書」によって得られます。色々なジャンルの本を読み、社会の問題への理解を深めること、それにより得られるのです。また、それは漢字の学習も兼ね、国語の勉強になります。とは言っても、今の皆さんにはそんな時間が取れないかも分かりません。そこで、薦めたいのは、気分転換もかねて、新聞に目を通し、世界で、日本で、どのような社会の問題が起こっているのかを考えておくのがいいと思います。また、テレビのニュース番組、ドキュメンタリー番組を見るのも大変価値があります。一見、受験勉強には無意味に思えるこれらのことが、実は「思考力」を高める鍵なのです。読書、新聞、テレビ、また物によっては映画も含めて、受験勉強の合間に気分転換も兼ねて利用してはどうでしょうか。
 残り約2ヵ月。苦しいこともあるでしょうが、すべてを完璧にしようとあせるのではなく、できることを確実にしておこうという気持ちで頑張って下さい。皆さんのした「努力」はたとえどんな結果になろうと、人生の「宝物」になることでしょう。





気持ちを切り替えて 頑張ろう
<関西大学第一高等学校教頭  橋本 定樹 先生>


 夏を迎えて受験勉強を進める上で、この時期に必要なことは何でしょうか。気持ちを切り替えてエンジン全開と行きたいところですが、間違った学習方法では時間の無駄になってしまいます。入りたい高校への学習計画作り、つまり「何を、どのレベルまで、いつまでに、どうする」など具体的な行動に結びつけるために考えてほしいことがあります。

基礎基本の土台作り
 入試問題を解くためには、もちろん応用力を磨かなくてはなりませんが、まず心がけてほしいのは読み書き計算の基礎基本をしっかり身につけることです。継続は力なりといいます。漢検三級・英単語暗記・計算問題など平易な内容を毎日短時間でいいですから継続して勉強することを提案します。ただし、漢字や英単語の覚え方や計算などの平易な作業過程を塾や学校の信頼できる先生に一度みてもらってください。暗記の仕方や計算の考え方で無駄な努力をしているケースが多々あります。では、理科・社会はどうするか。単に問題集を解き、用語の意味や関連事項を言葉で覚えるのではなく、画像で覚えてください。資料集の写真を見る、図鑑を見る、実際に科学館や自然史博物館、歴史博物館に出向いていって自分の目で確認するのもいいですね。この時期しかできないことです。このように土台作りがきっちりできればその成果は二学期に必ず出てきます。

弱点強化
 得意をのばすより不得意を少なくするという弱点強化はこの時期を逃してはできません。苦手教科はつい後回しになりがちですが、得意教科の間に苦手教科を挟むなど工夫をして、思い切って中一の教科書まで戻ってみましょう。わからないところがあれば恥ずかしがらずに塾や学校の先生に聞きましょう。どこでつまずいたのかがわかれば、一段でも階段が上がれます。すると、先が見えてきます。得意教科で点数を稼ぐという攻めの姿勢も大切ですが、この時期は苦手教科で平均点を確保すること、つまりミスを減らして失点を防ぐことを考えて計画を立ててください。

勉強するために
 最後にひとこと。勉強の方法論ではなく、一番大切なことです。
 高校に入ることだけが勉強の目的ではありません。入学後が大切です。高校へ入ってから、自分は何をしたいのかをじっくり考えてみてください。みんなが行くからとか親がうるさいからでは、勉強させられているという意識からいつまでも脱却できません。それでは高校へ入っても思うように伸びません。自分のキャリアデザイン(将来設計)を漠然とでいいですから考えてください。その上で大学進学に有利か、就職の準備に役立つかなどの視点で高校のデータを集めてください。そして志望校が決まったら見に行くことです。百聞は一見にしかずです。できたら志望校の高校生の普段の姿が見られたらいいですね。中学校の先生を通して申し込めば対応してもらえる高校もあります。もちろん関大一高は大丈夫です。具体的な志望校を決めることこそ勉強するための最大のエネルギー源です。気持ちを切り替えて、暑い夏こそ頑張ってください。





「なれる自分」から 「なりたい自分へ」
<大阪成蹊女子高等学校教頭  四方 康江 先生>


 受験生の皆さんは、どこの高校へ進学しようかと考え始めたばかりではないでしょうか。中には、すでに志望校を決めている人もいるかもしれませんが、ほとんどの人はこれからだと思います。

1 志望校を探す視点
 これから志望校を探そうと考えている皆さんには、今の成績でいける高校とか、その高校の大学などへの進学実績だけでなく、自分の夢を実現できるかどうかという視点に立っていただきたいと思います。自分の夢というのは、どんな大人になりたいかといった身近なものと考えてください。高校は、大人へと続くエスカレーターではありません。「学問に、王道なし」といいますが、ただまっすぐに突き進むだけでは、本当の大人にはなれません。途中で分岐したり、止まったりまたある時には逆もどりしたりすることもあるかもしれませんが、多くの経験を積み重ねる事が大切です。その視点に立つと、進学実績だけでなく、どんな学校生活が送れるかも志望校選びの重要なポイントになります。本校では、文化祭や体育祭などの学校行事を生徒会主導で行っています。また、修学旅行や宿泊研修では、事前学習に重点を置き、生徒自身が資料を集め、ビデオやパソコンを利用したプレゼンテーションにも取り組んでいます。
 各高校の募集要項やインターネットのHP、入試説明会で志望校探しをする時に、この点もチェックしてみてください。

2 コース選択の視点
 皆さんもすでにお気付きのように、多くの高校はコース制をとっています。ですから、志望校を選ぶだけでなく、コースも選ぶ必要があります。「なりたい自分」という目標が決まっている人には簡単かもしれませんが、そうでない人には難しい問題です。コース選びを間違えた為に、楽しいはずの高校生活が重苦しいものになっては困りますね。そこで、各高校のコースの特徴を調べるだけでなく、コース間の移動の可能性もチェックしてみてください。一年次の教科・科目をコース間で比べてみたり、進学説明会で直接質問してみてもいいと思います。本校の場合は本人の希望を優先し、移動を認めております。

3 「なりたい自分」を目指すには
 ところで、「なりたい自分」がまだ見つかっていない皆さん、何も不安がる必要はありません。これから探せばよいのです。中学生の皆さんに「遅過ぎやとりかえしのつかない失敗」なんてありません。失敗したらやり直せばよいのです。自分の可能性を、できるだけ大きくしておくことこそ大切です。その為には、日々の学習はもちろんですが、読書をお奨めしたいと思います。インターネットで情報を集めることは簡単ですが、印字された文字を読み、内容を把握することで、大脳の記憶中枢を刺激することが大切です。大脳を刺激することで、思考回路(考える道筋)が形成されるのです。皆さんの中に、メールで友達と会話をしたり、単語だけで会話したりしている人はいませんか。極端な例では、家庭での会話は、「めし、ふろ、ねる」の三つしかないという人もいるそうです。これでは、思考回路が形成されませんし、「なりたい自分」をさがすことは困難です。「受験勉強で忙しいのに、読書を奨めるなんて」と思われるかもしれませんが、「急がば回れ」ということわざにもある様に、遠回りをした方が得るものが大きいと思います。
 「なれる自分」ではなく、「なりたい自分」を目指して頑張ってください。来年の入試で皆さんが、志望校に合格されますよう願っております。





「受験校を決めるために」
<精華高等学校教頭 中川直子 先生>


 中学三年生のみなさんは、いよいよ高校受験という目標へ向けて勉強やクラブ活動に一層努力しておられることでしょう。中にはまだ気持ちだけで日々を何となく過ごしている生徒さんもおられるかもわかりません。
早い時期にスタートを切り計画的に準備をすすめるためにいくつかの点をあげましたので、参考にしてみてください。

@ 基礎学力をつける
 入学試験は、中学三年間で学習する教科書をもとに、基礎がしっかり身についているかどうかを判定するために作られています。特別な受験勉強よりも、毎日の授業の予習・復習をすることが一番大切です。また授業で得られた知識をただ丸暗記するだけでなく基礎問題を解くなどして自分自身のものにして下さい。そして、どんどん積極的に発展問題や実力問題などにも挑戦してみてください。こうした毎日の努力の積み重ねが良い結果につながります。

A 校内テスト・模擬テストについて
 校内の中間・期末テストは、決められた範囲の中から出題されており、学習したばかりの記憶に新しいことや、自教室でクラスメートとともに受験するなど緊張せずにすみます。平常の努力の成果が一番発揮しやすいテストですので今までの自分の得点より少しずつでもよい点が得られるように努力しましょう。
 校外で実施される模擬テストにも参加するようにお勧めします。受験したい高校の志望者の中での自分の位置がわかり、志望校の合格の可能性が示されています。また、教科の苦手な分野や、ミスしやすい点などが指摘されますので、これからの勉強にプラスになります。高校などの施設を会場にして、他の中学校の生徒と一緒に受験することにより入試の雰囲気を体験することもできます。

B 情報を取り入れる
 数多くある高校の中から自分にあった高校を選ぶのは難しいことです。まず通学できる範囲の高校を調べることから始めてください。中学校の先生や先輩に相談する、書店や塾で情報誌を購入する、高校から学校案内の冊子をもらう、インターネットで各学校のホームページを閲覧するなど自分から情報を収集してみましょう。

C オープンスクール・入試説明会に行ってみましょう
 情報収集した中で自分に適していると思う高校が見つかったらオープンスクールや入試説明会という名称で開催されている行事に参加してみてください。その学校を知る最良の手段と思われます。学校方針、校風、学校に設置されている色々な学科やコース、カリキュラム、卒業生の進路先、などが詳しく説明されています。例えば、本校では体験授業を行っています。昨年は、超低温の世界、パンとチーズ作り、コンピューターで作品作り、入試問題チャレンジコーナー、ペーパークラフト、パソコンゲームなどを実施しました。また、入試担当の先生による入試相談コーナー、クラブ活動体験も楽しく参加していました。このように、体験授業や体験クラブに参加してその学校の先生や生徒と触れ合うことは、その学校を知るよい方法のひとつです。夏休みから十二月までの期間で各高校が企画していますので是非参加してみましょう。
 各高校には、特色のある教育方針、校風、学科・コースなどがあります。また、自分がどんな勉強をしたいか、高校卒業後の進路希望は何かを考えて志望校を決めるのが望ましいと思います。
 入学直後から「校風になじめない」「生徒指導が厳しすぎる」「カリキュラムが将来の進路につながらない」などのミスマッチでつまずかないために自分の目と耳で確認しておくことが大切です。高校の先生は新入生が三年間落ち着いて実力を蓄えて希望の進路に羽ばたいて行ってくれることを願って入学式に臨んでいます。

D 志望校を決めたら
 志望校が決まったら、その受験科目を重点的に勉強しましょう。
 現在の学力を志望校レベルまで引き上げるために学習計画をたて強い意志で実行して下さい。
 計画はあまり細かくたてずに週単位でこなす範囲を一ヵ月分作るなどしてみましょう。週のうち一日は予備日としておくと計画どおり進みます。

 最後に、これからの日々を健康には十分気をつけて頑張ってください。来春の合格を祈っています。




「毎日の授業を大切に」
<聖母学院高等学校教頭 野村治善 先生>

 皆さんもいよいよ中学三年生になり、受験という大きな目標に向かって、勉強にクラブ活動に、毎日忙しい学校生活を過ごしておられることと思います。  中学校での生活も最後の一年間を残すのみとなりましたが、毎日の授業、クラブ活動、学校行事、生徒会活動、ホーム・ルーム活動、補習授業など、体がいくつあっても足りないくらい忙しくて、あっという間に一日、一週間、一カ月がたってしまいます。それでいて、受験勉強が気になるのだが、少しも前へ進まずに、気ばかりあせっている、今日この頃ではないでしょうか。  そこで、高校入試を控えた皆さんに、受験生として、考えていただきたいことをいくつかあげてみました。一つでも、二つでもすぐに実行してみてください。必ず成果があがります。

1.毎日の授業を大切に
 皆さんは、最高学年の生徒として、クラブの仕上げに全力を注ぎすぎて毎日、遅く帰宅される日が続いていることでしょう。自宅で勉強しようと思ってもすぐ眠くなってしまう。こんな時の心構えは、やはり、「学校での毎日の授業をおろそかにするな!」ということです。これが受験勉強の基礎・基本です。特に公立高校の入試は教科書の内容を逸脱するような問題は出題されません。したがって教科書の内容をしっかりとおさえることが大切です。さらに授業の予習・復習をすることで、毎日の授業が楽しく、そしてよく分かり、内容が深まり定着していくものです。とにかく毎日の授業に集中してください。

2.しっかり計画を立てる
 毎日がすぐ、また何となく過ぎていきます。それを防ぐには、しっかりと生活と勉強の中身の計画を立てることです。曜日毎、週毎、月毎の計画を立てましょう。また、夏休み・冬休み、授業のない日などの計画も、自分にあった形で余裕をもって立てましょう。例えば、毎日の計画表の中でできなかったところは、それを、土・日曜日にあて、クリアしてください。次の週に持ち越さないことが充実感を生みます。  関西では、一、二月が私立高校入試、三月には各府県の公立高校入試が実施されますので、そこまで、自分で緊張感を持続させるためには、しっかりとした計画を立てることです。うまくいかなければ微調整していけばよいのです。頑張って挑戦してください。

3.クラブ活動を続けよう
 単純にクラブ活動をやめてしまえば、早く帰宅できて、時間もできて、勉強ができると安易に考えている人はいないでしょう。賢明な皆さんのことですから。結論からいえば、時間がありあまるほどあっても勉強するとは限りません。  運動クラブでも文化クラブでも、中学生活最後の大会までクラブ活動を続けるべきだと思います。なぜならクラブ活動は、技術を磨くだけではなく、もっと大切な気力・体力・集中力を身につけることができるのです。これらが今後の社会生活や、受験勉強で大いに役立ちます。

4.オープンスクールや入試説明会に出かけよう
 希望している高校の内容をよく吟味するために情報を集めましょう。最近は早くからオープンスクールが行われています。各学校へ出かけて、建学精神、環境や教育課程(カリキュラム)、コース編成など、どうなっているのか、自分の目で確かめてください。もっと言えば、高校卒業後の進路も見据えて、選択をしてください。  また、受験科目、配点、専願・併願の合格最低点など、私立高校では各学校によってかなり違います。特にそこに気をつけて入試説明会で確認しておきましょう。

5.模擬テストを積極的に受けよう
 学校では二カ月毎に中間・期末テストが実施されていますね。このテストは、範囲があって、受けている集団も同じです。高校入試は他流試合です。ですから、学校外での模擬テストを受験して、受験する高校の希望者の集団の中で、自分がどの位置にいるのかを確認していきましょう。早くから業者テストや塾での模擬テストが実施されており、それで合格の可能性をさぐり、可能性が低ければ、合格ラインをめざして努力すれば良いのです。

 以上五つの視点から受験生へのアドバイスをまとめてみました。健康に十分気をつけて、頑張ってください。来春の入試での成功を期待しています。




「賜物を生かしつつ歩もう」
<清教学園高等学校教頭 安達英行 先生>

 受験生としての自覚はそろそろ出来てきましたか。もう、志望校は決まりましたか。まだ遅くはありません。大事なことです。今からしっかり考えていきましょう。
 そこでまず、何を基準に学校を選ぶのか考えましょう。選択肢はいろいろありますが、現実的には次のようなことから高校を絞っていくのではないでしょうか。

@世間的な評判(大学進学率・伝統・しつけ・教育方針の良いところ)
A高校生活(クラブ活動・学校施設・友人関係をエンジョイできるところ)
B自分の成績とマッチしたところ

 結論的には、しっかりと目標を定め、それに向けて努力していくことしかないのですが、しかし現実的には、親と自分の価値観の相違、志望校と成績とのギャップなど、なかなか思うように決まらないものです。目標を定めるのは案外何とかなるものですが、それを現実に近づける段になるといろんな障害が待ち受けています。思うように成績が伸びないとか、目標校をあきらめざるを得ない状態になったとか、何がしたいのかわからなくなった、などなど。そんなことで迷いや挫折が生じたり、絶望的な思いになったりします。
 でも、このことは、本当は心の成長にとって大切なことなのです。順調に物ごとが進んでいるときには自分自身のことはあまり顧みませんが、何か壁にぶち当たったとき初めて立ち止まり、もう一度自分の内面を観るのではないでしょうか。最初は壁の大きさがわからないまま何度も乗り越えようとがむしゃらにもがきますが、少し離れて見ますとその壁の全体が見えてきます。そうすると、この壁を乗り越えるよりあっちの方が乗り越えやすそうだなとか、この壁を乗り越えるにはもっと助走が必要だな、なんて思えてきたりします。
 自分の生き方、考え方に正直であるということは何より大切なことですが、自分の思いだけに固執して、狭い視野ですべてを判断しては後で取り返しのつかないことになります。あなた方にとって、未知の世界はずいぶんあるはずです。それは未知な世界に出会う可能性がたくさんあるということです。すなわち受験勉強というのは、自分がこれから出会う未知の可能性を受け入れる準備をすることなのです。
 多くのスポーツがそうですが守備の姿勢というのは共通しています。膝を内側に少し曲げ腰を少し落とし踵を心持ち上げる。これは、どんな球がきても、どんな攻撃にあっても臨機応変に動ける姿勢なんです。膝や腰が伸びてしまうと突っ立ったまま動けなくなってしまいます。目標をしっかり持つことは大切ですが、いつも柔軟な心の構え、どんな状況にあっても対応ができる準備が必要です。今、めざす目標がなくても、いずれ現れる自分の夢のためにベストを尽くすことは、すべてのことにおける基本的な姿勢だと思います。
 本校の教育方針の中に、「賜物を生す」という言葉があります。どんな小さい事柄であっても神様はその人にしかあらわし得ない大事な賜物(能力)をお与えになっておられるということを自覚し、そしてそれが何であるかを探し求めつつ、ともにそれを引き出していこうということを示している言葉です。「見えない」ことは「存在しない」ことではありません。必ずあなたの求めるものがあることを信じて、これからの日々を過ごしてください。そして、あなたの賜物が生かせる高校を見つけ、そこをめざして頑張ってください。





「目的とイメージを」
<金蘭会高等学校教頭 田中好浩 先生>

「今、あなたは何のために勉強していますか?」中学三年生になって来春の高校受験をめざして勉強している皆さん、このように問われたら何と答えますか。「○○高校に合格するため」という人や「将来こんな職業に就きたいから」と答える人もいるでしょう。あるいは「そんなこと考えたことない」「そんな余裕ない」という人もいるでしよう。でも、これからはこの問いを意識しながら勉強してほしいのです。寝てもさめてもそのことを考えてくださいというのではありませんが、勉強を終えた後、あるいは休憩している時などの”ほっ”とした場面で、「さて、自分は何のために勉強しているんだろう。何をめざしているんだろう」と心の中で、自分自身に問いかけてみてください。そして自分の中に浮かんでくる答えを味わってみてください。毎回、違う答えが浮かんできてもいいし、浮かばない時があってもいいのです。ふとした時にこのことについて考えてみることが大切です。特にこれから夏休み、さらには二学期と受験勉強のペースが上がってきた時に、悩んだり、迷ったりスランプに陥ることもあると思います。その時に、この問いを考えてきた人とそうでない人とでは、大きな差が出てくるのです。いずれにしても、普段から自分の前に出てくる困難や課題から目を背けず、受けとめるように心がけることをすすめます。
さて皆さんが小学校の時、今から三年ほど前、長野オリンピックが開催され、スピードスケートの500メートルで金メダルを獲得した清水宏保さんのことを覚えていますね。彼が金メダルを獲った後のコメントで、「周りの皆さんの期待と自分の弱さが重なって、レース前の一週間は逃げ出したいという気持ちと、逃げてはいけないという気持ちで悩み抜き、その中からある時『成功のイメージ』が自然にわいてきた。そうなるともう大丈夫で、リラックスしてレースにのぞめた」といっています。このことは、受験生としての今の皆さんにも当てはまることです。しっかりとした、しかも余裕のある学習計画を自分で立て、それを一つ一つ、一日一日こなしていく。そのような努力を積み重ねながら、いろいろなことを深く考え、しかも決して逃げずに頑張れば、必ずそこに『成功のイメージ』つまり『合格のイメージ』が浮かんでくるということです。逆にいうと、そこまで努力しようということです。
さらに彼は「競技での頂点(1位)は人としての頂点ではなく、むしろ競技者である前に、人間としてやるべきことをきちんと見つけていかなければという感情が浮かんできた」と述べています。続けて「金メダルは人生の通過点」とも言っています。そうです、金メダルを獲ることは目標ではあったけれども、それが全てではなかったということです。皆さんも同じです。志望校に合格することが全でではなく、次への成長・飛躍のためのステップであるということです。
最後に彼は、「我以外皆我が師」といっています。自分一人の力で金メダルを獲ったのではなく、まわりの人達の励ましや応援、そして多くの人との出会いがあったからだと感謝の気持ちを忘れていません。受験生の皆さんもそうです。自分一人だけが頑張って、悩んでいるのではないのです。皆さんを常に支えてくれる家族、塾、学校の先年そして友達がいるということを忘れず、感謝の気持ちと素直な心を持って、受験勉強に励んでください。
まずは来春までの頑張りが、皆さんを人間として大きく成長させることは間違いありません。どうか勉強の目的をしっかりと意識して、『成功のイメージ』通りの結果となることを期待し、さらにそんな皆さんと高校で共に学べることを楽しみにしています。



「才能は神よりの業」
<阪南大学高等学校教頭 池田憲昭 先生>



中三生の皆さん、あなたがたの大半は、今人生で初めて「受験生」という立場を経験しています。うっとうしいような、でも少し晴れがましいような、妙な気分でしょうね。勉強は順調ですか。うまく行っている人には大して言うべきことはありません。「油断なく」とだけ言っておきましょう。しかし、多くの人は勉強がはかどらなかったり、そもそもやる気が起きなかったりしているのではありませんか。そんな人の中に、「私は頭が悪いから」と、最初からあきらめている人はいませんか。まさか「遺伝だから」などと親不孝な言い訳はしていないでしょうね。
かなり昔のことですが、「人問は脳細胞の一部しか使っていない」という話を聞いたことがあります。使われていない脳細胞を使うことができれば、誰でも天才になれるというのです。ほんまかいなと思いますが、天才になるかどうかは別として、確かに脳は使うことによって活性化します。使わなければ間違いなく衰えてしまいます。頭が悪いというのは、頭を使っていないということと同じことなのです。エジソンの有名な言葉に「天才とは99%の汗と1%のひらめきである」というのがあります。彼はどうやら自分のことを天才だと思っている少々嫌みな人問のようですが、それはともかく、彼も才能とは努力だと言っている訳です。天才エジソンが言うのですから間違いありません。世の中に生まれつきの天才などほとんどいないのです。要は努力。つまり頭に関して言えば、どれだけ頭を使って脳細胞を活性化させるかということです。
私は、受験というのは頭を使う一つのきっかけだと思うのです。人間の大半は弱い生き物ですから、刺激や強制力が働かないと勉強する気にはなりません。私など受験でも無ければ絶対遊んでばかりいるでしょうね。とすれば、受験というのはうっとうしいものではありますが、一面では頭を使って才能を育てるすごいチャンスでもあるのです。あなたの中で眠っている脳細胞を、この機会に少し刺激してみませんか。きっと新しい世界が見えてくるはずですよ。
次に「勉強のやり方が分からない」と言って投げ出している人はいませんか。勉強をせずにそんなことを言っているとしたら、それはおこがましい。「勉強すれば分かる」と答えておきましょう。でも能率が上がらないという意味ならよく分かります。心配しないでください。そんな人は世の中にたくさんいるのです。もう少しの辛抱です。きっと分かるようになります。
山登りのことを思い浮かべてください。最初はうっそうとした林の中を登って行きます。そんなときはただもう苦しいだけで、周りの景色は見えないし、自分がどの辺りにいるかさえよく分かりませんね。でももう少し頑張って尾根までたどり着けば、突然視界が広がって周りの様子が見渡せるはずです。頂上まで続く尾根伝いの道も目の前に見えてくるでしょう。勉強も同じことです。「学問に王道なし」と言います。みんな苦労して苦労して勉強のやり方を身につけるのです。途中でやめてはいけません。林の中はただただ我慢して、あせらず一歩ずつ登りましょう。あなたにとっての尾根は、もうすぐのはずですよ。
話をもどします。前半で言った使っていない脳細胞のことですが、これは「可能性」という言葉にも置き換えられます。これはなにも頭の中だけでなく、あなた方みんなの身体や心の中にも眠っています。それを引きだし伸ばして行くのはあなた方の務めです。人生でたった一度の中3の夏を、悔いのないものにしてください。
最後に私の勤務する学校の創立者の言葉を皆さんに贈ります。「学びの友よ、才能は神よりの業、究むるは君が使命」。