入試担当先生から「がってん放送局」に寄せられたメッセージ



<清教学園高等学校 社会科教諭 芝田 啓治  先生>

「ざるかご」の編み目を根気よく埋めていこう

受験勉強真っ最中のみなさんへ。社会科の合格答案づくりへのプロセスを三段階に分けて考えたいと思います。

 第一段階としては、まず基本的な事項・人物・地名などを正確な文字で書けるか。またその内容を把握できているかということです。そして基本的な用語を正確に覚え理解できれば、それをさらに展開して「いつ・何処で・誰が・何を・何故・どうした」と広げていくことが大切です。日頃から学習するときこのことを常に心がけ、興味を広げていけば必ず社会科に強くなると思います。

 第二段階は、追い込みの時期になると地理・歴史・公民分野の弱点を補強しなくてはなりません。そのためには地理では統計資料や地図・図説を、歴史では年表・史料・図説を、公民でも統計資料・図説を常に横に置いて学習してほしいものです。疑問に感じたらすぐ資料にあたって自ら確かめるよう心がけてください。
 時事問題の対策としては、「興味」を持つことが大切です。新聞を読んだり、ニュースを観たり、さらにお薦めは小さなテーマでよいから友人や家族と話し合うことが大切です。人の意見をよく聞き、自らの考えをまとめるのです。その積み重ねが、論述などの答案を埋めるとき必ず役立つと思います。

そして最後の第三段階は、過去問にあたることです。過去数年間の公立の問題や志望する私学の問題に挑戦してください。今まで身につけてきた実力を試すときがきたのです。時間を計り、本番での緊張感を想定して解くことを薦めます。自己採点し、どこで間違えたか、どの分野のどの箇所がまだ理解できていないかを客観的に判断するのです。「受験勉強はざるかごで水をすくうようなもの」です。当然のことながら、ざるで水をすくえばその編み目から水が下に漏れます。その編み目を一つひとつ根気よく埋めていくことが必要なのです。焦らず、確実に。そうすれば必ず水をうまくすくえるようになるはずです。それが実力向上に繋がるのです。

最後に、受験生がこの時期心がけて欲しい「三K」について説明します。一つ目のKは「行動」のKです。手をこまねいているのではなく自分に出来る「行動」をおこすこと。まず鉛筆を握り、机に向かってください。次のKは「感動」のKです。「行動」すれば必ず今の自分から一歩半歩歩み出せます。それを継続すれば、努力の結果合格の感動も手に入るのです。「行動」をおこさない者に「感動」はありません。そして、最後のKは「感謝」すること。「行動」や「感動」は決して自分一人の力で得ることは出来ません。必ず周りには、仲間・家族・先生方がいるはずです。それに気づいたとき、成長したあなたがいます。頑張れ。





【 以下は過去年度の掲載 】



<金光大阪高等学校 社会科主任 孫工 隆  先生>

暗記するだけでなく、「考える力」を養っておこう

公立の学力検査では、基礎・基本事項の理解を問う問題が中心ですが、最近の傾向として、資料を使って図・グラフを作成する問題、資料をもとに思考・判断する問題、現代社会の諸問題について考え、記述する問題が出題されています。重要な語句を覚えるだけでなく、資料を読み取る力が求められます。日ごろの授業の中で、教科書や資料集に出ている地図・グラフの読解力を養っておく必要があります。また、建物・絵画などの写真、史料などを一通り見ておきましょう。
 私立の入試問題は、高校独自の特徴があり、難しい問題が出題されることがあります。また、問題数も公立入試の1.5〜2倍の分量が普通です。志望校が決定したら、すぐに過去の入試問題を解いてみて、傾向や特色をつかみ、対策を考えていかなければなりません。教科書やノートを見直すだけでなく、市販されている問題集を何冊か解いてみましょう。多くの問題をこなすことで、自分の弱点を知ることができ、さまざまな出題パターンに慣れることで、知識がしっかりと身につき、実力がつき、自信がもてるようになるでしょう。また、日ごろから新聞をよく読み、テレビニュースを見て、自分の考えや意見をしっかりと持てるようにしておいてください。  答案について注意しておきたいことは、
 @誤字、あて字はもちろん、かな書、略字、さらには字画が明確でない続け字なども、正解とはみなされない場合が多いので注意しましょう。難しい漢字は何度も何度も書いてみて、手に覚えさせなければいけません。また、自分で書けると思い込んでいる漢字でも一度書いてみましょう。何事にも思い込みは禁物です。
 A正誤問題で、「次の文の中から誤っているものを選びなさい」という問題で、はやとちりをしてしまい、正しいものを選んで答えてしまう受験生も見受けられます。問題内容をしっかりと理解し、時間の許す限り何度も見直しましょう。
 B記述問題では主語、述語を明確にした文で答えましょう。
 受験まで、もう少しあります。それまでの間、能率よく、かつ効果的に勉強をするためにはやはり、勉強の計画をしっかり立てる必要があるでしょう。もうすでに計画を立てて勉強に取り組んでいる人は言うまでもありませんが、そうでない人は、今からでも計画をたてて勉強に取り組んでください。そうすれば、学習意欲も高まると思います。最後までがんばってください。





<上宮太子高等学校 社会科主任 甲斐 龍二 先生>

学習の基礎は教科書

皆さんは、高校受験を目指して毎日努力をしていることと思います。どこかの高校に合格できるのだろうかという不安やあせりが消えないことはよくわかりますが、今の自分の学習の状況を見つめて受験教科の学習を計画的に、かつ着実にすすめてほしいと思います。社会科は、地理・歴史・公民の三分野に分かれますが、各分野ごとに出題される場合と、各分野を総合して出題される場合があります。どんな問題が出題されても学習の基礎となるのは教科書です。受験勉強の基礎固めは、教科書の内容をしっかり理解し定着させる ことが大切です。その上で社会科の入試問題の出題の方法に慣れることです。社会科の出題傾向として、教科書の内容を一つのストーリーというか、一つの筋書きに組み立て、その流れにそって問いをすすめていくことが多いです。
まず、地理的分野は、一つの国(国内であれば一つの県)だけ、一つの時代区分だけを尋ねるような設問は少なく、総合的な問いかけがほとんどです。そのような問題に対応するには、出題されている資料の読み取りが非常に重要です。そのためには、常日頃から一つ のテーマ(たとえば農作物の生産高・鉱物の産出量など)や一つの地域について、教科書で学んだ基礎事項を、地図や地図帳の表・資料と照らし合わせて、互いに関連を持たせながら結びつけて体系的にまとめていく学習法が有効でしょう。その際には気候(表・図)も必ずおさえておきましょう。それと、問題文の資料中には、必ずどこかにヒントになる極端な数値があります。その数値に着目し、分かったところから解答するという手法も有効でしょう。
次に、歴史的分野は、時間の流れ・時代の分かれ目をつかみ、重要な事件(政策)があっ た時の政治上の中心人物を関連づけて覚えることが重要です。さらに、問題文に示された時代の「文化」の内容、生活の様子や「近・現代史」についても、歴史の内容をどこまで深く、丁寧に理解できているかをみるために出題することがあるので、対策をたてておきましょう。あとは、せっかく学習した重要人物や語句を漢字で正確に書くことができずに点数を失う人も少なくはありません。学んだ基本事項を自分の中で「消化」(理解)して、自らの「栄養」(考える力)として結果を「発揮」(正確に表現・選択)できるという学習習慣を身につけましょう。
最後に、公民的分野は、教科書をよく読み、近年の国内および国際情勢(政治面・金融中心)に関する新聞の記事などにも、日頃から興味を示しておくことが大切です。
これら三分野の知識をばらばらに詰め込むのではなく、それぞれ関連させながら結びつけていけば、実力が上がり、良い結果が得られるでしょう。





<摂陵高等学校 社会科主任 友次 康至 先生>

● 今この時期こそ社会科を!

 秋も本番を迎え、まだまだ先と思っていた入試も、急に身近に思えてきたのではないでしょうか。こんなことなら「夏休みにもう少し勉強しておけばよかった」と後悔している人はいませんか。でも入試本番まで、私立ならば約四カ月もありますし、公立ならばさらにもう一カ月あります。本当の勝負はこれからです。特に、勉強の出遅れている人にとっては、挽回する最後のチャンスです。ただし、あせって、やみくもに勉強をやったところで、結局は空回りです。まずは、しっかりと計画を立てて、それを日々実行に移すことです。 そこで社会科ですが、受験教科として英・数・国を主役とするならば、本教科は脇役といえます。脇役は地理や歴史や公民といった個性派ぞろいですが、これらの活躍いかんで、主役を生かすことも殺すこともできるのです。ぜひこの時期、脇役にもスポットを当てて、受験という舞台を盛り上げてもらいたいものです。そのためにも、台本である教科書は何度も何度も繰り返し口ずさみ、頭にたたき込みましょう。
 ちょっと話が芝居じみてきましたので、本題に入りましょう。私たち入試問題を作る立場からいえば、受験生のみなさんと同じ教科書に基づいて、問題を作っています。難問・奇問は検討の段階で省かれますし、たとえ、それが出題されたところで、合否を左右するものではありません。やはり、基本は教科書であることを肝に銘じてください。そして地理であれば、地図帳や資料集にも時間の許すかぎり親しんでおきましょう。歴史は最初から最後までむらなくやってください。みなさんの一つ上のレベルの大学入試では、近・現代(産業革命や開国あたりから第二次大戦後まで)の問題が、最近たいへん多く出されています。高校の先生は、大学の入試問題にもよく通じていますので、そのあたりも微妙に影響してくるかもしれません。公民も教科書を中心にするほか、公民の内容に関連する昨今の事件や話題も押さえておきましょう。
 最後に社会科全体を通して、まず解答の際に、漢字で書くべきところを漢字で書かないと、一般的には採点の対象になりません。私立高校によって、採点基準の差は多少あると思いますが、日頃から正確な漢字を書けるようにしておきましょう。また、過去三年分くらいの入試問題はやっておきましょう。特に私立の場合には、各高校の先生が毎年問題を作るのが常ですので、傾向や難度が極端に変わることはあまりありません。ぜひ受験校の入試問題を研究して、勉強の追い込みをかけてください。そして、今さらあれこれと手を広げずに、自分の教科書なり参考書を最後の一日まで熟読することです。
 勉強を継続して実力と自信をつける。それしか合格への道はないでしょう。さあ、ラストスパートです。




<京都橘女子高等学校 社会科主任 中村 寛 先生>


高校入試まであとわずか、真剣に受験の学習をしていることと思います。あせってしまわずしっかり学習計画を立てて、実行してください。社会科はこの時期学習すればするほど、力をつけることができる科目です。必ず、ていねいに学習することです。
 では、社会科では何が問われるのか。それは、中学三年間のあなたの社会に対する知識と理解力ではないでしょうか。中学生の社会科では地理的分野、歴史的分野、公民的分野を学習してきています。それをていねいに学習することです。したがって、地理的分野や歴史的分野をしっかり復習すること、そして三年次の公民的分野をきちんと授業にそって内容で確認することです。
 その時に、大切なのは自分が興味を持っている分野について学習を深めることです。社会科の場合、たくさんの知識を要求されますが、それはばらばらの知識として存在するのではなくそれぞれがお互いに関連しながら結びついています。また、そのような知識が結びついて初めて社会科について理解が深まるのです。日ごろから、興味を持つ内容に関係がありそうなことに関心を持つことです。そのことが実のある学習につながります。
 では、どのような学習をしたらよいのでしょうか。一つは教科書をしっかり見なおすことです。特に、地理、歴史の分野は一度学習して時間がたっています。三年間でみなさんは成長しているわけですから理解力も深まり、以前学習した時と違った読み方ができるはずです。そのことは、今学習している公民の分野の理解を深めることにもつながります。地図やグラフ、表、写真もふくめてよく見ることです。以前は違っていても今興味を持つ内容があるかも知れません。また、最近のニュースや新聞も話題として出題されることがあります。しかし入学試験ですから、そのニュースだけを問題にするのではなくて、そのことがらをヒントにしながら中学の学習の内容を問うのですから心配することはありません。
 試験を出題する立場から実際の入学試験についてお話ししましょう。まず、みなさんは問題文をしっかり読むことです。なぜ、しっかり読む必要があるかというと、問題文には必ずヒントが含まれているからです。読みながら気になるところを鉛筆でチェックしてもいいかも知れません。さらにもう一度読み返すといいかも知れません。絶対に、部分的な記憶を頼りに速答せずにていねいに答えることです。そのことで、ミスを最小にすることができるのです。つまり、何を聞かれているのかを理解できれば正しい解答が引き出せます。
 ではみなさんの健闘を祈っています。




<摂陵高等学校 前社会科主任 鈴木 明彦 先生>

みなさん、受験勉強ははかどっていますか。今、みなさんは高校受験という初めての試練と対S峙しているわけです。そこで、少しでもみなさんの本番での答案作成の参考になるようなポイントを、出題者の立場でアドバイスしようと思います。
まず「なぜ社会科の試験が高校入試にあるのか」ということからお話ししておきましょう。それは第1に中学の履修内容の定着度の確認です。入試での社会科は最も詰め込みのきく教科として、膨大な情報量をみなさんに記憶してもらうことを要求します。つまり高校での勉強の能率化を図るため、そういう情報の基本部分になる中学の社会科の情報は、高校入学前に十分にたくわえておいてほしいわけです。
2番目に、社会科という教科の本来的目的の一つと関連して、みなさんがどのくらい社会で今起きていることに興味を持っているかということを問いたいのです。主にこの2点を確認するために、社会科の試験は作られていると考えていただいてよいでしょう。したがって、みなさんはこの2点を念頭に置いて準備する必要があるわけです。
それではどのような準備をしたらよいのか。履修内容の定着のためだからと、何も新しい参考書を買う必要はありません。まずは教科書を読み込むことです。ただし隅から隅まで、どんなに小さな項目も見逃さないよう、もちろん地図・グラフ・表も含めてよく見ておくことです。それと並行して自分の受験する学校の過去3〜4年間の入試問題を見て、その出題傾向・形式を知っておくことが重要です。それに、新聞・ニュース等で最近の大事件をあらましだけでも知っておいてください。近年、特に歴史的な大事件がいくつか起こっております。このような事件は、出題者にとって絶好の題材です。たとえ教科書にないことでも、ニュースを見ておれば知らないはずはないという事件に関しては、出題される可能性があります。つまりみなさんの社会現象への興味・注意力を試すというわけです。
このような手順を踏み、いよいよ本番です。しかしここであせっては、今までの苦労が水の泡になります。入試問題を前にしたら、まずは注意深く問題を読むこと。特に選択問題では何を解答とするのか、よく問題文から読み取ってください。特に最近では、2つ以上の解答の組み合わせの中から選んだりする問題が流行しています。ちょっとめんどくさい問題には、細心の注意を払って間違いのないようにしてください。また答案作成上の注意としては次の1点につきるでしょう。それは、明確な文字を書くということです。特に指示のない場合、漢字で教科書に出てくる事項は漢字で答えてください。
みなさんの、社会科の完全解答を祈っています。頑張ってください。