
入試担当先生から「がってん放送局」に寄せられたメッセージ
<育英西高等学校 数学科教諭 尾植 香織 先生>
「落ち着いて、丁寧に」自分の実力を出しきろう
皆さんは、数学の答案を書くときに何を心がけていますか。ここでは、注意してほしい点をいくつか挙げておきたいと思います。
(1)全体に目を通して、解ける問題または得意分野から解き始めよう
どうしても入学試験になると緊張してしまいます。易しい問題を解き、「できた」と感じることで気持ちを落ち着かせ、日ごろの実力を充分に発揮させましょう。
また、最初に全体に目を通し、時間配分を考え、途中の難関に時間を費やしすぎて後半の解ける問題をやり残すということを防ぎましょう。入試問題では、できる問題をきっちり解くことが重要で、難問は他の人もできないと考えましょう。
(2)作問者の意図を読み取ろう
作問者は1つの大問に流れを持たせています。前半の小問は、後半の小問を解くための準備となっていることがよくあります。後半の小問で行き詰まったときには、なぜ前半の小問が必要だったのかを考えてみましょう。それがヒントとなることがあるはずです。
(3)途中の式を丁寧に書き残そう
解答に計算過程も必要とされる場合はもちろんのこと、答えのみを求められる場合でも、問題用紙の裏など、広いスペースを用いて途中の式をきちんと書きましょう。狭いところに細々と計算をするとミスが生じやすくなります。計算ミスのほとんどはこのことが原因です。
また、見直しの際に、残り時間が少なくて、慌てて計算し、違う答えに書き換えて間違ってしまったことはありませんか。途中の式をきちんと書き残しておき、それを見直しすることでそのような失敗も防げるはずです。考え方がわかり、式がたてられた問題は必ず正解へとつなげましょう。
(4)与えられている条件に注意しよう
問題を解くときには問題をよく読み、問題に与えられている条件が大問全体に共通するものなのか、各小問だけに限られたものなのかをきちんと判断しましょう。また、問題には必要のない条件は書かれていません。利用していない条件がないか、もう一度確認しましょう。
最後に、言うまでもないことですが、相手に読みやすい丁寧な字を書くということを心がけましょう。たとえば、ブロック体のh、nなどのように丁寧に書かなければ区別が難しい文字にはとくに注意しましょう。答案は他人が見るものであるということを忘れないでください。
それでは、入試では実力を充分に発揮し、見事志望校の合格を勝ち取って下さい。
【 以下は過去年度の掲載 】
<摂陵高等学校 数学科主任 石澤 幸弘 先生>
自分の考えを相手に説明するように答案を書こう
数学の解答を書くときの一番のポイントは、問題解決に向けて、分かっている事柄と分からない事柄を具体的に表現して、自分の考えを整理することです。
そのためには、常に、自分の考えていることを正しく相手に伝えるつもりで、解答を書くことが最も分かりやすいと思います。
また、”数学の問題を解くこと“イコール”公式を用いた計算“のように錯覚している人もいます。実際、そのような人は「文章題になると何をしてよいのか分からない。」と思っていることが多いようです。単純に一つの公式あるいは方程式を用いればよい場合は出来るのですが、複数の事柄が含まれる場合は、全くのお手上げ状態になるようです。
したがって、中学校で学んだことを発揮する高校受験で、もてる力が最大限発揮できるためにも、次の二点に気をつけて答案の書き方を練習してください。
(1)常に、自分以外の人に見られることを意識すること。
(2)答案で、自分の考えがすべて相手に伝わり、説明を加える必要がないこと。
(1)についてですが、試験である限り、必ず採点者はいるので、当たり前だと思うでしょうが、普通、中学校では授業を担当している先生が採点を行うので、つい”甘え“が出てしまうことが多いのです。「これくらい許してもらえる。」という気持ちで途中の式を丁寧に書かなかったり、書き間違えたところを消しゴムを使わず、乱雑に鉛筆で上から塗りつぶしたりするようなことはないでしょうか。やはり、独り善がりにならず真摯な気持ちで答案を書くことが大切だと言えます。
(2)は”簡単なこと“から非常に”難しいこと“まで含まれます。
”簡単なこと“とは、”x
(エックス)“と”×(掛け算の記号)“のように区別が難しい文字を誤解のないようにはっきりと分かるように日ごろから丁寧に書くことを心がけることです。これは数字でも同じで”1“と”7“の区別がつかない答案をよく見ます。
”難しいこと“とは、答えを求めることだけに集中してしまい、説明が不足することが多いことです。例えば、中学では方程式を解いて、求めようとする数値が得られることを学びます。このとき、分からない数値を文字を用いて、方程式を作ることが第一になっていることが多く、その文字についての説明の文章を書くことを忘れてしまうことです。文字はその時々でいろいろなことを表していることを意識しておくことが大切だといえます。時間を表しているのか、速さを表しているのかで単位が異なるなどはその最たるものです。
また、面積や体積を考えるときには、辺の長さを文字で表し、面積や体積をその文字を用いた式で考えるのですが、その文字がもつ数値の範囲がすでに決定していることに気付かず、取りえない数値を答えとすることが非常に多く見られます。これも文字についての説明を書く習慣が出来ていれば自然と理解できることだと思われます。
最後になりますが、試験では時間が限られているので、見たこともない表現の問題が出ていると焦ってしまい、普段の学習の成果が出し切れない生徒を見ます。そんな時にこそ、それまでの自分の学習に対するしっかりとした自信を持てるよう日々努力を続けてください。
<大阪桐蔭高等学校 数学科主任 山崎 信義 先生>
教科書レベルの問題を確実に
高校入試まであと数カ月になりました。これからの取り組み方と努力が志望校に合格するかどうかの決め手になると思います。答案作成において注意しなければならない点を列記します。
@問題文と設問をよく読むことはもちろん、解答欄を間違わないようにして下さい(受験生の何人かは、このような初歩的なミスをしています)。数字、記号(十とか一など)文字は丁寧に書くことです。
A分数の約分と √8 を 2√2 、1/√2 √2/2 のように簡約化する。
B計算を中心とした小間も確実に解いて下さい。大問においても誘導式になっている場合も多いのでケアレスミスをしないように日頃から注意して下さい。このようなミスで不合格になることも十分に起こり得ます。
C記述式の問題では、系統だてて採点者にわかるように書くことです。
D入試においては、全体の問題を見た後、すぐに方針の立つ問題からはじめ、次に自分の得意な分野の問題に取り組み、難問に余分な時間を使わないようにす。
E図が必要な問題とか、数値計算は出来るだけ大きな図及び字を書いて下さい。
次にこれからの勉強法はやたら難問にチャレンジするよりもまずは、教科書を中心として全分野にわたって公式、定理(できれば証明もしておくと応用力がつくことでしょう)の確認と例題の解答の後、基本レベルおよび標準レベルの問題を正確に速く解く練習をしておくことです。
最後に自分のペースを守り(無理をして体調を崩すことなく)自分の立てた計画に沿って、充実した受験生活を送って下さい。そうすれば、おのずと志望校に合格するという喜びだけではなく、これからの人生において、何物にも替え難いものを手に入れることでし
ょう。悔いを残さないように、思いを尽くし、力を尽くして頑張って下さい。
<上宮高等学校 数学科主任 中原 恒夫 先生>
●基本問題は確実に!
秋も深まり、いよいよ勉強には絶好の季節になりました。皆さんの受験準備は計画どおり着実にすすんでいますか。さて、合格答案の書き方については特別にうまい方法があるわけではありませんが、何点か注意してほしい所を述べてみます。
- 答案は丁寧な字で書くこと
上手な字を書けというのではありません。見やすい丁寧な字が要求されているのです。試験で一番初めに書くのは自分の名前、受験番号でしょう。あせって乱雑に書いては精神的にもよくありません。落ち着いてゆっくりと書くのです。
- はじめに全問に目を通す
何も一番から順番に解く必要はまったくありません。一番から最後の問題まで、鉛筆を持たずにゆっくりと目を通すのです。周りの受験生の鉛筆を動かす音に惑わされてはいけません。自分の得意な分野の問題、やさしそうだと自分で判断した問題などを先に解くように順番を決めるのです。わずか数分のこの作業が試験においては重要です。
- 分数の約分、√の簡約化は忘れずに
計算問題ではもちろんのこと、文章題の解答での約分のし忘れ、√のまま(本来は√)の解答は原則として減点されます。
- 普段から速くて正確な計算を
入試問題の多くは基本的な問題、または標準的な問題で構成されています。一部、レベルの高い問題もあるようですが、合否に関係するのはあくまでも基本的な問題、標準的な問題です。時間が限られている入試においてはいかに速く、正確な計算をして正解をだすか。それによって、たとえば図形の問題などで充分に考える時間を生み出すことが可能になります。日頃の学校の授業でも、自宅学習においてもこのことを意識して勉強してください。
- 学習範囲をせばめずに
よく不得意分野の勉強をせず、得意分野のほうばかり勉強する受験生がいますが出題内容は多方面にわたっています。従って中学数学全体の基本事項をマスターすることが大切です。今からでも決して遅くはありません。標準問題集などで総復習をしましょう。
- 公式、定理などは理解を伴う暗記を
例えば二次方程式の解の公式を知らない受験生はまずいないでしょう。しかし自分の力で公式を導ける人は案外少ないのです。
この過程には、これから高校数学を学習する上でも重要な部分が含まれています。重要公式は自分で導きながら理解して欲しいと思います。また図形分野の定理も面倒くさがらず必ず図を書きながら、なぜそうなるのかを考えて勉強してください。最後に、あせらずあきらめないでこつこつと勉強して合格を勝ち得てください。皆さんの健闘を祈ります。
<洛南高等学校 数学科主任 伊賀上 勉 先生>
来春の入試に向けてみなさんは今、精一杯の努力をしていることと思います。そこでこれから、冬休みから3学期にかけての直前学習と合格答案の書き方を関連づけてお話しします。この時期はいろいろな問題集に手を出すのではなく、今まで使ってきた問題集を繰り返し学習し、知識を確実にすると同時に、自分が希望する高校の過去の問題もどんどんやっていくことが大切です。過去3年間あるいは5年間ぐらいの問題をすれば一応の傾向もわかってきます。そのプロセスの中で、得意分野・不得意分野を知り、使い慣れた問題集で集中的に不得意分野の学習をしてください。不得意分野の問題が入試に出たら最初から捨ててかかるようでは合格は望めません。不得意分野の問題が意外と易しかったりするものです。そして1つひとつの問題を解いていくうえでは、次のようなことに注意を払ってください。
- 問題を精読する。(早とちりをしない)
- わかっていることを個条書きにメモする。特に図形問題を解く時には必ず図を自分で書いてみる。正確な図が見通しをよくします。
- すぐ計算を始めるのでなく、何がわかればよいのか、何を求めたら答えが導けるのかをまず考えてください。
- 途中の計算は丁寧にやり、計算の過程は必ず残す。さらに計算の行間に今、 何を求めているのかを簡単にメモしておくようにすれば、答案も一段と見やすくなっていきます。
要は、行間の簡単なメモで考え方の流れ、大まかな筋道を示すことが大切なのです。以上のようなことに注意しながら問題に取り組めば、学力の伸びや定着度も随分ちがってくると思います。
次に受験における2、3の注意を述べてみましょう。
- 比較的易しい問題から難しい問題へと取り組みやすいように配慮してある場合もありますが、そうばかりとは限りませんので、まず全問に目を通して自分の得意分野・不得意分野、難易度などをある程度考えて解く順番を決めることです。少しでもはやく問題に取り組みたいのが受験生心理ですが、途中でパニックに陥り、解ける問題まで解けなくなることを考えれば、全問に目を通す時間は無駄ではないと考えてください。
- 1つひとつの問題に対して、ある程度の余白がとってあります。その余白をじょうずに途中の計算に利用してください。答えのみを記入する問題では特に正確な計算力が要求されます。あとで見直すためにも、丁寧でわかりやすい書き方が必要なのです。
当然のことですが、解答欄も問題を解く時の一つのヒントです。複雑な答えが出るような場合には、答えを書きやすいように表現しています。だから最初に解答欄も確認しておきましょう。
以上、問題演習に当たっての注意点や受験のさいの注意点をあげてみましたが、これらのことを念頭においた練習の繰り返しによってこそ、本当の実力が身についていくのです。これから入試までの間、自分の力を信じて、必ず合格するのだという強い意思で学習に励んでください。みなさんが志望校に合格されることを心より祈っています。
<西大和学園高等学校 数学科代表 山本 直弘 先生>
入試まであとわずか、志望校突破に向けて精一杯の努力をしていることと思います。特に点差のつきやすい数学は、この時期の学習において非常に重要になることでしょう。そこで少しでもみなさんの参考になるようなポイントをアドバイスしたいと思います。
まず第一に基本的なことですが、毎日数学の学習をすることです。数学は学習しないと学力が低下すると考えてよいでしょう。第二に不得意分野を早めになくすことです。不得意分野で大きく点差がつく可能性がある以外に、不得意分野が出題されると焦ってできる問題までできなくなることもあります。第三に計算ミスをなくすことです。普段、計算ミスが多い人は入試当日も計算ミスをするものです。計算ミスを甘くみてはいけません。計算ミスをなくすには、日々の学習時から途中式をきっちりと書き、問題の筋道をしっかり示すことが大切です。第四に過去問を最低五年分演習し受験する学校の傾向をつかみましょう。以上のようなことに注意して問題に取り組めば、学力の伸びや定着度も違ってくると思います。
次に、答案作成時における注意を二、三あげてみましょう。@まず全問に目を通して、難易度、得意分野を考えて解く順番を決めることです。一問解けると入試当日も安心し、普段の力が発揮できるでしょう。A計算用紙をうまく利用してください。計算ミスをなくすためにも途中式をきっちり書き、見直しにも役立てましょう。特に答えだけを記入する問題では計算ミスは命とりとなります。十分注意してください。
以上、直前の学習法や答案作成時の注意点をあげてきましたが、これらのことを念頭に置き、志望校に必ず合格するという強い意志で頑張ってください。その意志の強さがたいへん重要なものになってきます。一度受験校を下見し、自分の気持ちを高めるのも良いでしょう。
最後にみなさんの努力が志望校合格につながることを心より祈っています。



