高校受験生のための「志望校の選び方」





2学期に入り、来春の高校入試に挑む中3生にとって、まさに正念場ともいえる時期にさしかかっています。 と同時に、いよいよ志望校を絞り込まねばならない時でもあります。 とりわけ、皆さんが来春からの3年間を過ごす高校を選ぶわけですから、志望校選びは慎重の上にも慎重を期してほしいものです。
「友達が行くから」とか「制服がカッコイイから」といったイージーな理由で高校を選択したりすると、一生悔いを残す事にもなりかねません。 そこで、志望校を選ぶにあたって特にどのような点に留意したらよいか、私学の先生方からメッセージをいただきましたので、是非とも参考にしてください。





出会いを大切に・自己の可能性を求めて!

大阪産業大学附属 高等学校教頭 鈴木 博 先生 

 近年、社会で活躍する若い人の才能はすばらしいと思います。それは、若い頃から少数の人が英才教育を受けたり特殊技能の訓練を受けたりして、その才能を開花させたのでしょう。しかし、若い人の多くは同じような特別の才能を持っているわけではありません。現代のような複雑な社会を生きていくには、特別な才能を生かすのも一つの方法ですが一般的に社会が望んでいるのは、基本的な能力をしっかり身につけた人です。その上で特別な才能があればもっとも良いのですが、それはそんなに簡単ではありません。

 日本社会のベースになっている多くの人々(普通の人と呼ばれたりします)は、いろいろな面での能力が世界の中で非常に高いとよく言われました。このことは、今までの日本の教育方法がすばらしかったからでしょうか? それもあるかも知れませんが、私はむしろ学ぶ人の姿勢がすばらしかったことの方が大きかったのではないかと思っています。  反面、「日本の教育は画一的である」とも言われています。このためか、やる気を失っている子供が多くなったのではとも報告されています。確かに多様化している今の時代、画一的教育制度の学校では生徒が不平不満を持つのも自然の流れかも知れません。やる気を起こさせる環境づくりに各学校は懸命の努力をしていると思います。高等学校は時代の変化を敏感に受け止め、保護者・生徒の期待に十分応えている学校でなければなりません。

 娯楽に例えるのは変なことかも知れませんが、昔、今では考えられないくらい映画の作品はわずかしかありませんでした。今では多くの映画・ニュース・その他の番組を持ったテレビ放送があり、そして自分自身が参加するテレビゲームへと時代のニーズは変化していきました。もちろん、そのために必要な技術革新をともなって楽しさを多様化させてきた結果だと思います。学校教育の場においてもいくつかの点では同じようなことが言えるのではないでしょうか。すなわち、みなさんは志望校を自分で選ぶことができます。単に知識の量を増やすことのみを目的とする学校であれば、みなさんはきっと魅力に思わないでしょう。このあたりがポイントだと思います。 中学生のみなさんは、将来どんな知識や経験を自分のものにしようと考えているのか。そしてそれを先輩たちがその学校でどのように成功させてきたのかを見聞することで、学校選択の判断ができると思います。その方法として、担任の先生や進路指導の先生から先輩の進路状況を聞くことはもちろん、入試説明会や体験入学に参加して学科・コースの種類でどのようなことを学ぶのか、その学校の立地条件や雰囲気はどうか等、自分の目や足で確かめるのが良い方法でしょう。それでもどんな学校を選べばよいか迷ってしまった場合、多くの可能性を考えれば、出来るだけ多くの体験や学習が出来る(選択できる)高校を選択するべきだと思います。

 あなたの夢や希望は年齢とともに少しずつ変化すると考えられます。あなたには、あなた自身を理解するためにも、もう少し時間が必要です。その時間の中で良い環境の高校と、すばらしい友人や先生に出会うことを期待しています。





自分の将来を見据えた高校選びを 〜受験生A君へ向けての手紙〜

聖母学院高等学校教頭 野村 治善 先生

 A君、その後元気で頑張っている様子、大変うれしく思います。中学校での楽しかった学校行事やクラブ活動も終わりに近づきましたね。今年の夏休みも猛暑だったのですが、二学期も始まり、だんだんと秋らしくなってきました。これまでに積み上げた基礎学力の上に、さらに実力をつけようと張り切って勉強に取り組んでいる頃だと思います。
 高校選びについて叔父さんの意見を聞きたいという手紙をいただきながら、夏休み中とはいえ、クラブの指導や校務に追われて、返事が遅くなってしまいました。高校受験を目指すA君に、高校選びについて、私が考えていることをいくつか綴ってみることにします。
 まず、高校選びの一つ目のポイントは、自分自身が、どのような高校生活を送ろうと考えているのかということです。二つ目のポイントは、高校卒業後、どのような進路をたどって、専門的な知識を身につけて、自分の才能を社会でどういかしていくのか、ということです。
 実際の問題として、今の時点で、自分の人生を構築することは至難のわざですが、漠然とした考えでよいと思います。一度ぜひ、考えてみてください。高校へ入学してから、自分を見つめ直し、自分さがしをする中で、修正が入ってきても当然だと思います。  三年間の高校生活をどう過ごすか、そして自分の将来をどう見据えるかということを、高校選びの前提条件としてまず考えましょう。
 次に具体的な高校選びのチェックポイントをいくつか考えてみますと、第一のチェックは、公立高校か、私立高校か、また全日制、定時制、単位制、通信制か、そして男子校・女子校か、共学校かということです。
 公立高校の場合は、学区があり、地域割りをしていますから、その中で、どの学校を選ぶかということになりますね。私立高校の場合は、各学校の創立者の建学の精神、教育方針、教育目標があり、独自の特色を打ち出しています。各学校の学校案内のパンフレットを参照し、入試説明会に出かけていって、施設・設備も含めて、学校環境をよく見てください。
 第二のチェックは、設置学科です。普通科、商業科、工業科、農業科、芸術科、総合学科などのどの学科なのか。
 第三のチェックは、学科の中でのコース編成はどうなっているのか、カリキュラムはどう異なるのか。すなわち、コースによってどんな教科・科目を、週何時間勉強するのかということです。例えば、そのコースは英・国・社中心の文系のカリキュラムなのか、英・数・理中心の理系のカリキュラムなのか、ということです。
 第四の最後のチェックは、通学時間です。私立学校は、他府県にも通学できますが、勉強の時間や、クラブ活動に、時間的制約を受けますから、通学時間を十分考えることです。
 二つの大きな高校選びの前提条件の上に、四つの高校選びのチェックをクリアして、自分が第一志望・第二志望・第三志望という高校選びができたら、ご両親、担任や進路の先生に、相談してください。でも最終的にはあなたの人生ですから、A君が決めてください。
 高校選びが終われば、もう何も考えず、受験日に向かって、ねらいを定めて、過去の入試問題を検討し、傾向と対策をたてることです。一週間ごと、一カ月ごと、十二月までの三カ月間、一月から受験日までの二カ月間の細かい勉強の計画を立ててください。不得意な科目に時間をさきましょう。計画表がなければ、勉強ははかどりません。余裕を持った計画表にしなさい。また、毎日の授業を大切にすべきです。では、健闘を祈ります。来春にはよい知らせを待っています。残された中学校生活の時間を大切に過ごしてください。ご両親によろしくお伝えください。






「自らの意志による進路選択」

相愛 中・高等学校 教頭 山内 正治 先生

二学期に入り、残された中学生活も半年足らずとなりました。中学までは義務教育であり、 教育を受ける義務、受けさせる義務があったのです。しかし、高校段階からは、自らの意志に 基づいて教育を受けるのです。まず、この点をよく認識することが大切です。 現代社会を見つめるとき、歴史の流れの速さに驚かれます。最近の報道記事を見ていますと、 最も新しい新聞報道が、その日のテレビ放送では、もはや古い記事ということが起こるなど、 めまぐるしい流れの速さを痛感いたします。また、社会要求の多様化、女性の社会進出のめざ ましさ、社会産業構造の変化など世の中は激動しています。 その中において、どのように生きていくかを考えると同時に、自分自身を見つめ直し、自分 の持っている良さや可能性を如何に伸ばしていくかを考えながら、自分の将来の方向づけをし ていかなければなりません。
ところで、自分のことは自分が一番良くわかっていそうなものですが、自分自身のことは自 分ではなかなか分からないものです。したがって、進路の決定にあたっては自分の意志と共に 貴方を最も良く知っておられる、お父さんやお母さん、また先生方のアドバイスを聞きながら、 どう進んでゆくのがよいか、将来の大きな方向を考えていくことが必要であります。そのため には高校進学においてどのような選択をするのが大切なポイントとなります。今、みなさんは、 その選択にせまられているのです。
公立高校にするのか私立高校を選ぶのか。公立には公立の良さや伝統、校風があります。一 方、私学には各校それぞれ建学の精神があり、それにのっとって学校が設立され、個性に満ち た特色ある教育がなされています。だからこそそれぞれの学校の校風、特色を十分に知る必要 があるのです。 どのようなカリキュラムで、どのような教育がなされ、生徒たちはどのような高校生活を送 っているのかを知ってもらいたいのです。ただ単に、評判が良ければ良いから、大学にたくさ んの合格者を出しているからとか、偏差値が自分にに合っているからといった表面的な理由だ けでなく、その学校の持っている根本的な精神など内面的な部分を理解することが大切なので す。これを知る方法としてその学校の卒業生や在校生に話しを聞くと共に、学校見学をするこ、 とをおすすめします。自分自身の肌で感じ、その学校が自分に合っているかどうかを感じ取る ことが必要です。
受験とは誰のためのものでもなく、自分自身のためなのです。だからこそ最終的には自らの 意志で志望校を決定してもらいたいのです。そうすることによって勉強にも励みが出ます。そ して学習の効果が上がり、合格への布石となっていきます。 自らの意志で希望し、入学した学校こそ、その生徒にとって最高の学校といえましょう。自 身と埃をもって高校生活を送ることが出来るのです。それが、より充実した高校生活につなが るのです。
来年は皆さんにとって栄えある年であることを期待しています。