高校受験生の



いよいよ夏休み。海に山に街にと遊びに行きたいところだけど、そうはいかないのが受験生。「夏を制する者が受験を征す」。この夏休みは君たちにとって正念場。来年の受験に向かってどう過ごしたらいいのか、お二方よりアドバイスをいただきました。


関西私塾教育連盟 内田邦夫先生

◆計画表の作り方 毎日チェックしながら◆
まず計画を立てることが大切だ。一日のタイムスケジュールと、夏休み全体の日程との両方を立てよう。
計画を立てるコツは、クラブ活動、塾の講習学校の補習、旅行、里帰りなど、あらかじめ決まっている予定をまず計画表に入れてしまうこと。残りの時間が、自分で自由に使える時間だ。この自分の時間をどう使えるかによって、夏休み後の成績に差が出るといえる。
計画表には、チェック欄を作っておいて、計画を完全に達成できた日には○、まあまあできた日には△、サボってしまった日には×というふうに、毎日自己評価をつけよう。二学期の成績は、この○の数に比例する。

◆1,2年の復習が大切 定期テストをやり直せ◆
夏休みに何を勉強したらいいだろうか。いちばん大切なのは、これまで習った範囲で、自分が理解できている部分と理解できていない部分とをハッキリ整理することだ。その後は、自分の弱点にポイントをしぼって勉強したらいい。
そのためにすすめたいのが、1,2年のときの定期テストの問題をもう一度やり直してみること。やってみると×が付いていた問題はやっぱり解けないし、○が付いていたものも忘れていたりする。理科や社会の暗記度チェックには特に効果的だ。
受験では、1,2年生の学習内容が80%出題される。夏休み明けの実力テストでも、1,2年生内容が中心になる。だから1,2年生で習ったことの復習がとても大事なんだ。
学校の宿題は、7月中に全部すませてしまうことをすすめる。なぜなら、宿題の問題を解くことによって、さっき言った自分の理解度のチェックに役立つからだ。8月からはそれをもとに、弱点を克服するための自分の勉強をしよう。

◆夏期講習の活用法 受け身でなく質問を◆
いろんな塾で夏期講習が開かれている。ふだん塾にいっていない人も、夏期講習だけ行ってみてもいいだろう。「こんな勉強の仕方もあるんやな」という発見があり、刺激になる。
ただし、受け身ではいけない。わからないところはどんどん先生に質問すること。いちから解き方をきくというのは、絶対に身につかないからやめよう。まず問題をノートに書き写し、自分の出来るところまで解いてみる。そうして、わかっている部分とわかっていない部分とをはっきりさせてから質問するべきだ。

◆国語が苦手な人へ 新聞のコラムを読む◆
国語が苦手な人のために、夏休みに実行できる上達法を伝授しよう。
新聞のコラム(朝日なら「天声人語」、毎日なら「余録」、読売なら「編集手帳」、産経なら「産経抄」)を毎日読むことだ。できるなら、読むだけでなく書き写してみよう。一字一字見て書くのではなく、一文単位で覚えて書くことが大切だ。意味がわからなくてもいいから、とにかく忠実に書く。
これを40日間続けたら、すごい力になる。国語が苦手な人というのは、たいてい読む力がない。だから毎日読むだけでもぜんぜんちがう。読むときは声を出して読もう。黙読だとついよけいな考えが浮かんで、集中できないんだ。

◆一日の勉強時間 一教科40分は集中して◆
1日に8時間は勉強してほしい。8時間は多いと思うかもしれないが、学校の授業、塾の授業、宿題とふだんはそれ以上の勉強をしているはずだ。けっして多くはない。
8時間が無理だという人は、毎日5教科をやって、せめて1教科で40分はやるべきだ。それもただ机に向かっているのではなく、集中しての40分。人間が集中できる限界は15分ともいわれるけれども、そこを何とかがんばってみよう。

◆体育系クラブの人へ 運動を急にやめないで◆
体育系のクラブに入っている人に注意したいことがある。
7月で引退して勉強に専念しようという人が多いと思うが、ハードな練習を急にやめると、脱力感が起こってかえって勉強が手につかなくなることが多い。クラブと勉強を両立していたころよりも、成績が落ちてしまったりする。
だから、一気に運動をやめてしまうのは禁物だ。1日に1回は軽い運動をして、体を少しずつ慣らしながら、徐々に勉強中心の生活に切り換えていくことをすすめたい。

◆成績はすぐには出ない あきらめずにコツコツと◆
最後に、夏休みの勉強の成果はすぐに出ないといっておきたい。
夏休み明けの実力テストの結果が思わしくなく、「あれだけがんばったのに、これだけしかとれない」といって投げ出してしまう人が非常に多い。
しかし、学力はそう短期間で身に着くものではない。最近はすぐに結果を出したがる風潮があるが、学力は少しずつ熟成されていくもの。あきらめずにコツコツと勉強することが大切だ。
歯を食いしばってがんばれば、必ず成果は出る。また、自分が立てた計画を実行できたという感動は一生の思い出として残ると思う。


最後までがんばってください。



内田先生がすすめる

≪夏休み、生活の心得10カ条≫

@ 学校の宿題は早く片づけること。 A 朝寝坊、夜更かしはしないこと。" B 1日、8時間の勉強を欠かさないこと。 C 昼寝は短く、睡眠は十分にとること。 D 冷たい飲み物は、飲みすぎないこと。 E 食事は規則正しく、しっかり食べること。 F 適度な運動をすること。 G 危険な所には、立ち入らないこと。 H 集団行動で自分を見失わないこと。 I 何かやったと言えるものを残すこと。



「進研ジャーナル」編集部長


◆夏休みの40日もふだん生活している生活パターンで◆
早寝、早起き、そして午前中は必ず勉強の時間にあてましょう。学校に通っているときと同じように50分勉強、10分休憩というのもひとつの方法。夜更かしをして昼前に起きてくるような生活パターンは禁物です。規則正しい生活をすることによって、夏バテも予防できます。勉強と勉強のインターバルには、身体を動かすことをすすめます。

◆3年の1学期までの学習内容についての完全理解を◆
3年で学習する内容は、中1、中2の基礎学力の上に立つものです。ですから、1、2年生の内容がキッチリ理解できていなければ、飛躍は望めません。「すそ野の広い基礎学力は、山(実力)を高くする」といいます。一流のスポーツ選手や芸術家は、基礎訓練を非常に大切にします。もちろん勉強、学問とて同じことです。また、公立高校の入試問題の50%以上は1,2年の領域から出題されます。まとまった時間がある夏休みは、基礎固めの絶好のチャンス。

◆苦手教科・弱点領域の克服を◆
例えば入試で、合格最低点が500点満点の300点だったとします。1教科平均にしますと60点ですが、ある教科では40点しかとれなかったとします。そうなると他の2教科でカバーしなければならなくなります。入試で80点以上の高得点をとるのはなかなか困難です。ですから40点しかとれないという教科をなくす方が有効なのです。すなわち苦手教科を作らないことです。この40日間は弱点の克服を重点目標としてください。

◆この機会に読書を◆
ふだんは学校や塾の予習・復習でゆっくり読書する時間が取れないでしょう。夏休みこそ十分に時間をかけて、書物に接することができます。どの教科についても基本となるのは国語力です。受験勉強を側面的にバックアップしてくれるとともに心身をリラックスさせてくれる効用もあります。自分が興味のあるジャンルのものでよいから、まず一冊読破してほしいものです。

◆夏休みの後半は2学期の復習を◆
お盆休みの前までに1,2年生と3年生1学期の内容をきっちり理解し、そして、お盆休み明けからは2学期の予習に入ります。そうすれば、余裕を持って2学期の授業に臨め、郊なる学力アップが望めます。

◆受験生である前に家族の一員として
ふだんは学校での生活のため、家事の手伝いがあまりできないのだ実情でしょう。玄関や部屋の掃除、皿洗い、トイレ掃除−積極的な家事手伝いをすることによって、家族の一員としての役割を果たしましょう。それは息抜きや気分転換にもなります。
さて、「秋に飛躍的に学力を伸ばせるかどうかそのカギは、夏休みにどれだけ努力したかです」と多くの先輩はアドバイスされています。「夏を制する者は入試を征す」はいいふるされた言葉ですが、来春に高校受験を控えたみなさんは,この言葉の持つ意味をしっかりかみしめて、悔いのない40日間を過ごしてください。


以上